ジョディ・フォスターっていいよね。其の二
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2008/12/10
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宗教との対立、国防に関わる問題、政治力に左右される科学者の評価など、
さまざまな要素を盛り込んだSF作品。
まず主人公エリーが実証主義の立場から「神を信じない」というキャラクターである時点で非常に挑戦的。*1
対してマシュー・マコノヒー演じる相手役は大統領の宗教顧問を勤める宗教の専門家。
彼との対立が物語を通しての軸であるといってもよく、
異星人からのメッセージを基にした転移装置*2の乗員選定では
「神を信じない」という発言を主人公から引き出して主人公を落選させ、
後で「君を失いたくなかったんだ」と言い訳してみたりする。
日本人の視聴者から見れば「最初っからミエミエですが」といったところだが、
神を信じて当たり前のアメリカの視聴者からするとどうなのだろう。
実際、神を信じないという発言は選考委員の心象を非常に悪くしたであろうし、
もしかしたらアメリカの視聴者の心象も同じように悪くするのではないだろうか。
最終的には彼の口から「宗教も科学も真理を追求するという共通の目的をもつ」という形でフォローが入り、
主人公もラストで、観測できないものを「わからない」と判断することが「科学的」であるという発言をしているから、
対立していた両者が歩み寄っての結末であるといえる。
このあたりが、アメリカにおける科学と宗教の妥協点を象徴しているのかもしれない。