久々に映画でも

クローバーフィールド/HAKAISHA スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

クローバーフィールド/HAKAISHA スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

ニューヨークを襲う巨大生物の恐怖を、
一般市民の一人が持つホームビデオカメラの視点で綴る新感覚モンスターパニック。
 
演出技法として、「撮影された映像を撮影する」という描写が多用されたり、
動画投稿サイトに言及するキャラクターがいたりと、これを紹介してくれた友人茶菓の指摘にあるように
「現代における映像と生活、そして映画の関わり」に鋭く言及するものであろう。
 
しかし、前者に関してはスピルバーグ監督が以前から得意とするところでもあり、
結局のところ映画全体としてそれほど目新しさは感じなかったというのが正直なところ。
ホームビデオで撮った映像のみで構成するという意図は斬新ではあるが、
映像の随所に「プロっぽさ」がにじみ出てしまっているのが残念。
「普通のパニック映画でこういうカットあるよな」っていうカットが散見されるのだ。
この辺は、映画としてのアイデンティティーをどのくらいまで押し出すかという問題になるか。
まあ、あまりに下手に撮ると何が起こっているのかわからなくなってしまうから、さじ加減は難しかっただろう*1
 
なんて言ってるけど、見終わった現時点で筆者かなり興奮してます。
面白かった!正直すげえ面白かった!
アメリカ映画史上始まって以来の本格的「怪獣映画」といえるだろう。
モンスターを地上から見上げるカットや、逆に上空を飛ぶヘリから見下ろすカットなど、
「100m級の巨大感」の演出は全体的に上手くいっていたように思われる。*2
首脳陣はゴジラとかを見てちゃんと研究してるんだな、というのが伺えて、ゴジラファンとしては嬉しい限り。
 
もうひとつ。
近作唯一のオリジナルBGMであるエンディング「CLOVERFIELD OVERTURE」が
もんのっすごい伊福部リスペクトミュージックで吹いたw
首脳陣はゴジラが本当に大好きなんだな、というのが伺えて、ゴジラファンとしては嬉しい限り。
ミレニアムゴジラベスト/伊福部昭 東宝特撮映画傑作集

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*1:「臨場感」はちゃんと表現できてるから、製作者の加減は上手くいっていると思う

*2:最後の公園のカットだけは残念。アレじゃジュラシックパークだ。