レイトショー その3


うわ、俺こういうの嫌いだわ。


言葉もろくに話せないままアメリカにやってきた主人公は、折り悪く祖国の崩壊でビザが無効になり、空港に足止めを食らう。
で、この先にひとひねりあるドラマが存在すれば納得できるんだけど、


まず出てくるのがやたら態度の大きい役人という典型的なヒール。
彼は通訳の到着も待たず、「ロビーで待て」といって彼を放り出してしまう。
この時点で彼は祖国の崩壊すらも知らない。
やがてテレビの映像で事の次第をなんとなく理解し、空港ロビーでの生活を始める主人公。
だが、例の役人はどうしても主人公を空港から追い出して警察の管轄下に置きたいらしく、
その権力を利用して主人公に嫌がらせを始める。
しかし主人公はその人柄の良さでだんだんと周りの信頼を集め、
更には故郷の近いロシア人男性の出国を手助けしたことから一気に空港のヒーローに。
一方で役人は上司にまずいところを見られてメンツを潰されてしまう。
その後も主人公は、友人の恋路を手助けしたり、二股をかけられていることに悩むスッチーを励ましたりと大活躍。
更には建設技師の才能まで発揮し、空港の改装工事の手伝いで職を得るまでになってしまう。
そしてついに、祖国での戦乱が収まり、緊急ビザが手配され、主人公は自由の身に。
しかし、そのビザには主人公を深く憎む役人のサインが不可欠。もちろん彼はサインをするつもりはないと突っぱねる。
それにもめげず、空港の仲間たち(+上司に愛想を尽かした役人の部下たち)の強力で街へと出てゆく主人公。
実は彼の目的は、果たせなかった父の夢の最後の1ピースをこの街で拾ってくることだった。
そして目的を果たした彼は、雪に染まる街の中、静かに家路につくのだった・・・。


なんだよこれ。
御都合主義ここに極まれり、という感じ。途中でみんなしてミュージカル始めないかとハラハラした。
ディズニーアニメに非常に良くある流れじゃないだろうか、ノートルダムの鐘とか。
とりあえず、ヒールの扱いが余りに酷すぎる。あの描かれ方では、彼には能力も才能も信念もないことになってしまう。
次に主人公の扱いも酷い。主人公を言葉が通じない人ではなく「単なるバカ」としてしか描いていない場面がとても多い。
いくら英語がわからないからって、テレカの使い方くらいわかるだろうよ…


それでも時折演出が輝くから、最後まで見てしまった。最近のスピルバーグって、全部こんな感じなのかな・・・?