遥かな空に誓え 夢に見た 希望と 勇気を

今回はとあるゲームのご紹介。
タイトルは、「スカイガンナー

SkyGunner

SkyGunner


とはいっても、実はこのゲームをプレイしたことはない。
ではなぜ今このゲームの紹介かというと、ちょっとした理由が。


2001年の発売当初、このゲームの宣伝はとても弱く、ほぼ同時期に発売された
エースコンバット04」の陰に隠れていたこともあり、非常にマイナーなゲームだったそうだ。
このゲームが見てのとおりのフライトシューティングだったことも、
エースコンバットという人気作との競合を招き、マイナー化を促進したかもしれない。
しかし、実は俺はこの作品を当時から知っていたということが最近判明したのです。


以前、友人の家に遊びにいったとき、
「ちょっと面白い映像を見つけたからお前も見てみろ。」
みたいな感じで、YouTubeのとある映像を見せてもらったのがきっかけ。
その映像がこちら


間奏部分の戦闘シーンで、5年前の記憶がまさにフラッシュバックしてきた。
高校1年生のころ、当時、小遣いが月5千円だった俺はまだPS2を持ってはいなかったが、
金もないのに近所のゲーム店に足を運び、ゲームのパッケージやデモを眺めるのが日課になっていた。
そんな時、足を踏み入れた店で流れていたデモ映像が、先の映像、スカイガンナーOPムービーだったのだ。
おそらく目にしたのは1度だけ。
それでいて丸5年間記憶の奥にとどまり続けていたというのだから、この映像の持つ魅力が窺い知れる。


まず特筆すべきは音楽の秀逸さだろう。
このOP曲「遥かな空へ」は歌詞のついたゲーム主題歌の中ではまず間違いなくトップクラスの名曲だと思う。
タイアップではなく、このゲームのためだけに作られた曲であるというのもポイントが高い。
ちなみにこの曲はこの映像のものがフルバージョンで、
ゲームの発売から2年後に発売されたサウンドトラックにしか収録されていない。


また動画の面では、細かい仕草を非常に丁寧に描いているところが好印象だ。
前半の食事のシーンの動きや、ラストのコパン(青い髪のキャラ)のサムズアップなどは
少し過剰気味の動きがデフォルメの強いキャラクターとマッチして非常に美しい画をつくっている。


更に、演出の巧さも見逃せない。
特にサビのコミカルな敵キャラの紹介から、間奏に入ってのシリアスでカタルシスに富んだ戦闘描写、
そして再度サビに入り、雰囲気が落ち着いた瞬間に「撃墜、脱出」カットの連発。
このあたりの演出はもはや神がかっていると言っていいのではないだろうか。
特に二番サビの撃墜シーンは穏やかな曲調と見事にシンクロしたすばらしいカットだと思う。
ちなみにこのゲームにおいては、敵機を撃墜してもそのパイロットは例外なくパラシュートで脱出するそうだ。
このゲームの柔らかな世界観に人の死は相容れないと考えたスタッフの配慮であろう。
OPを見るだけでも、それが功を奏していることがわかる。


OP全体の構成も非常にテンポ良くまとまっている。
敵、味方の構図も非常にわかりやすいし、なにより、
登場するキャラクターの人となりや相関関係、そして作品の世界観がなんとなく掴めるのがすばらしい。
これはOP映像の基本のひとつではないかと思う。(最近はこれができていない作品が多くて困る…。)
登場カットが少ないファム(緑髪の女性キャラ)が冷遇されている感は否めないが、
主人公の生い立ち、性格、職業、青い髪の少年と友人でありパートナーであること、
小さな子分を多数引き連れた顔のデカイ男、および眼鏡をかけた少年が敵であること、
更には、顔のデカイ男はどちらかと言うと憎めないタイプの悪役で、
本当の敵は眼鏡の少年の方であるということなどなど…
OPからさまざまな情報を読み取ることができる。
雲の中を舞い上がる象徴的なタイトルカットの後、地上での日常生活から、「異変」を象徴するカット、
出撃、戦闘、平穏を取り戻した町並み、そして最後は主役3人揃っての夜空への飛翔という全体の流れも見事。
短い時間での表現に挑戦する機会の多い自主制作をやっている人間としては、
見習うべきところの多くある映像ではないだろうかと思う。


ちなみに、アニメーション制作はGONZO
さすがにこのような単発、短編の作品では崩壊など起きようはずもなく、
このスタジオの持てる最高のものを出してきたといえるのではないだろうか。
今期のパンプキンシザースはいったいどうなることやら…


つまり今回は、ゲームの紹介じゃなくてゲームのOPムービーの紹介がしたかっただけなのでした〜
ゲームの内容は、爽快感があると感じる人とないと感じる人に真っ二つに別れ、
シューティング部分の評価は賛否両論といったところ。
しかし、作品の世界観や雰囲気、グラフィックなどはかなり好評とのことです。