手塚監督の本気。

前作でゴジラに深手を負わせて追い払い、対ゴジラに光明を見出した日本政府。だが・・・
 
なんと今作、初代「モスラ」で中條信一を演じた小泉博が同じく中條役で出演。
ファーストモスラの直接の続編という位置も持っている。
 
主役は金子昇演ずる中條の甥という設定の整備員。前作の主役である釈由美子は映画序盤で舞台を去るが、
その際の演出はなかなかグっとくるものだった。
金子には釈とは違う意味で非常にメカゴジラに親しい位置が与えられ、、
再び小美人からのコンタクトを受けた小泉とともに物語の二つの大きな軸を作っている。
 
前作で使ったきぐるみ、セット、CGを多数使いまわすことができたおかげか、
非常にリッチな作品に仕上がっている。小美人が登場するシーンでの神秘的な演出にも総じて違和感はない。
モスラの登場で特撮シーンにも幅が生まれ、またミニチュアワーク、カメラワークにも明らかな向上があり、
総じて非常に楽しめる作品となっている。
 
脚本も前作に比べるとかなりいい。
各キャラクターの芯がはっきりしているし、ギスギスした人間関係にこだわりすぎないのもGOODだ。
欲を言えば、中條の孫にもう少し役割を与えられなかったか、とは思うが、上映時間などを考えれば致し方ない部分だろう。
ともかく、都合3作のゴジラを担当して手塚昌明監督に大幅な成長が見られたのは間違いない。