TYTANIA-タイタニア- 第1話、第2話

期待以上だ!
序盤から多数の重要な登場人物が顔を出すが、どれも主張しすぎず、説明的な台詞も吐きすぎず、
なおかつ個性がある程度把握できるよう工夫されている。
ゆったりとした作品だが飽きる隙など全くない。今後も期待できる。
 
さて、落ち着いて感想を。
 
旗艦ゴールデンシープの司令部がまさに舞台。ブリッジの奥に幕が張られ、会戦と同時に幕が開き、
側近を従えて椅子に腰掛け、悠々と紅茶を啜るアリアバートの姿が披露される。
そして最後には、敗北を喫し苦い表情で目を伏せるアリアバートを幕が覆い隠して
ケルベロスの戦いは文字通り“閉幕”する。
 
対するファン・ヒューリックは作戦中ずっとガムを噛んでいてお気楽な印象。
部下が出撃するときの「いってきます!」が印象的。
いってきますといって出て行った部下が一仕事終えると戻ってきたり、
非常に現場に近い印象がある司令部を持つ。
幕の奥の「壇上」にいるアリアバートとは見事に対照的になっている。
 
第2話では藩王と四公爵のタイタニアトップ5が揃っての会議で5人の個性が存分に発揮されている。
イドリスがいいキャラだ。頭はいいくせに正確が悪すぎる。
アリアバートの前髪が一生懸命に自己主張しようとしているのが逆効果っぽいのが非常にいい。
流石は公式没個性キャラ。個性が無いのが彼の個性なのだろう。
主役たるジュスランは洞察力の人。無名のファン・ヒューリックを指揮官に充てたエウリアの真意を見抜く。
そして全く同じ洞察を当のファンも発揮し、その場面が交互に流れることで
この先の二人の運命を暗示している。
 
結果的には金だけを得て職を失い、星を離れるファン。
次期当主の最有力候補と目されながら、「俺の出番は無いほうがいい」と言うジュスラン。
この二人がこの先どのように見えるのか、あるいは見えることは無いのか。
ファンはどのように戦場に舞い戻るのか、タイタニア一族の今後は・・・
興味が尽きない。楽しませてもらうとしよう。