ローマは一日にして成らず

というのはわかっているつもりだ。
が、


と言い続けてもうすぐ3年になる。
未だに絵を描くことを諦めきれないのはなぜなのだろう。


正直、もはや「向いてない」の一言で片付けられるレベルだと思う。
教本を模写するという最初の段階でつまずいている。
上手く模写できない。当然だ。初心者なのだから。下手なのだから。
そして子一時間かけてやっとひとつの構図を模写し終え、その結果を眺めながら
「下手糞だな」とひとりごち、「自分の進歩の無さに絶望する」


後は泥沼だ。
「進歩の無さを自覚するために子一時間も鉛筆と指を磨り減らすのか」
などという発想に至ればもはや教本を広げることすら億劫になってしまう。


・・・否


進歩の無さを自覚したくなくて描かない・・・という理由は後付で
もしかすると
そもそも絵を描くこと自体が億劫、なのかもしれない。


面倒なのか。


一度始めると、その構図が一段楽するまで止めることができず、
指が痛くなり、鉛筆で黒く汚れ、
「ひとつの結果」を得るまでに相当な時間を要し、
その結果が相応の出来になってくれなければ何の充足感も得られない


そんな「描画」というものが、俺は嫌いなのだろうか・・・


わからない。


でも俺はまた、絵が描きたくて、いや、絵が上手くなりたくて、紙を前にしている。


手に取った教本に、こう書いてある。
「上手く描けなくても大丈夫、明日は今日よりも上手くなっているはず」


この一文を信じる勇気を・・・