レイトショー#2

大学の授業で使うので視聴。


かのスピルバーグ監督の事実上のデビュー作といわれる「テレビ映画(聞き慣れない単語よね)」
話を要約すると、


普通のサラリーマンが荒野の高速道路でひたすらタンクローリーに追い掛け回される話。


本当に2時間それだけが続く。単純な作品である。
だが、はっきり言う。


メチャ怖い。


スピルバーグは圧倒的なパワーのもたらす恐怖を撮るのが本当に巧いと思う。
最近なら宇宙戦争はまさにその典型だし、ジュラシックパークの肉食恐竜の恐ろしさも生半可なものではなかった。


この映画も全編通して非常に心臓に悪い作りになっている。
タンクローリーに追い掛け回されるという構図の時点でものすごい緊張感があるし、
一時的に開放されたかと思わせておいて、思わぬ形で元の構図が復活する、って感じの演出が繰り返される。


更に、ラストシーンが非常に、なんというか、ヒドイ。
ネタバレになるかもしれないが、はっきり言う。
この作品はバッドエンドである。
主人公にとってバッドエンドである以上に、おそらく視聴者にとってバッドエンドである。
本当にバッドなラストシーンだと思う。


考えてみれば、スピルバーグの撮る映画は大団円にならないことが多い気がする。
ジョーズは一応ハッピーエンドではあるが、ロバート・ショウ演じる漁師のおっさんは殺られてしまうし、
リチャード・ドレイファス演じる学者の復活もイマイチ雰囲気を明るくしない。
ジュラシック・パークにしたって一応ハッピーエンドだが、本当に命からがらと言う表現がぴったりなエンディングで
大団円などと言う表現とは似ても似つかないものになっているし、
感動巨編と一般からは評価されるA.I.のラストなんて、本当に・・・(いや、つまらないという意味じゃなくてね)
大団円で終わるのって、E.T.くらいじゃないのかな・・・


コレがスピルバーグの原点だ、と言われれば、なるほど確かにそうかもね、という作品でした。