仮面ライダー電王 第1話「俺、参上!」

久々に、キた。
ライダーの第1話でこの感覚を味わったのは本当に久しぶりだ。
とにかく評価すべきは、第1話がほぼ完全に完結した内容で、
なおかつ必要な情報がほとんど出揃っていると言うこと。


主人公自身についての描写は、
「とにかくついてない」「非常に気が弱い」「喫茶店を営む姉(美人)あり」といったところ。
これだけでこの主人公のキャラクターは完全に確立されたと言っていい。
要は単純なキャラだと言うことだ。
主人公が単純でキャラとしての情報量が少ないのはとてもいいことだと思う。
主人公にやたら秘密があったり、常人離れしたところが多すぎては、視聴者の感情移入を妨げるし、
主人公は実は・・・的なエピソードに時間を割かれる要因にもなる。
つまるところ天道総司は失敗だったと言いたい。


続いて、敵について。
今回の敵はイマジン呼ばれる未来人。現代にタイムスリップし、現代人に憑依する。
その際、「望みを言え、何でも叶えてやる。お前が支払う代償はただひとつ・・・」と告げている。
児童誌によるとその代償とは「過去」。イマジンは人間の過去を奪い、改変することを目的としていると言う。
最初に登場したイマジンは不良少年に取り憑いたバットイマジン。声の出演は梁田清之である。
人間に取り憑いたばかりのイマジンは砂のような不安定な姿をしており、上半身と下半身が分かれ、
上半身が地面についており、その上に下半身が浮いているという奇妙な姿をしている。
どうやら砂時計をイメージしているようだ。
実際、取り付かれた人間の体から大量の砂がこぼれるという描写が頻繁に出てくる。


主人公にもイマジンが取り憑く。鬼に似た姿の「モモタロス」である。声の出演は関俊彦
こいつが非常にいいキャラである。少々粗暴なイメージだが、主人公が不良に絡まれ
暴行を加えられると、「宿主をコケにされて黙ってはいられない」と主人公の体を乗っ取り反撃(声も関になる)。
乱暴ではあるが、悪人というわけではない、という非常に好感の持てるキャラになっている。


イマジンたちはとても個性的で、基本的に単独行動を行い、人間に憑依して悪事をはたらく。
敵の習性は、もしかすると平成シリーズに入ってから最も特撮ヒーロー作品らしいかもしれない。


今回のライダーにも強力なサポーターがついている。
タイムスリップが可能な列車「デンライナー」のメンバーである。
主人公はそのメンバーの一人が落とした変身アイテムをたまたま拾うことになる。
味方組織については第1話ではほとんど描かれていない。ここも巧く時間を節約したと思う。


さて、主人公に取り憑いたモモタロスは、主人公を乗っ取って不良グループに反撃しようとする。
しかし、主人公の意識が邪魔をしてうまく行動できず、さらには体の支配権を取り返されてしまう。
これは普通は起こりえないことで、モモタロスが弱いのではなく、主人公の体質が原因であるという。
デンライナーのメンバー「ハナ」は、主人公の体質「特異点」を見抜き、「電王」に変身するよう促すのだ。
一方のモモタロスは、特異点体質の人間に憑依したことを思いっきり後悔する(重要)。


そうこうしているうちに、バットイマジンに憑依された不良少年が登場。
バットイマジンは砂のような姿から青いボディを持って実体化し、主人公に襲いかかる。
「お前が死んだら俺も消える」と言い、砂の状態のモモタロスが立ち向かうが、あえなく粉砕。
主人公は電王に変身するが、その姿は龍騎のブランク体を思わせる弱々しいものでまったく歯が立たない。
しかし、ベルトのボタンで「ソードフォーム」を起動し、モモタロスと「入れ替わる」ことにより、
主人格がモモタロスとなり、形勢は逆転。バットイマジンを圧倒する。


以上が第1話のあらすじである。わかったことをまとめてみよう。
1.主人公は特異点という特殊な体質で、自分に取り憑いたイマジンを抑制できる。
2.どうやらイマジンは、一度人間に取り憑くと二度と宿主を変更できない。
3.宿主が死亡した場合、憑依していたイマジンも消滅する。
4.バットイマジンは実体化したが、モモタロスには出来なかった。
 必要な条件はおそらく、「宿主の望みを叶える契約を交わしていること」


モモタロスは「戦うために現代にきた。面白ければそれでいい。」という内容の発言をしており、
今後かなり積極的にイマジン掃討に協力してくれるものと思われる。
モモタロスにしてみれば、特異点体質の主人公に憑依してしまった時点で
願いを叶えてやるといって過去を奪う、という選択肢を失っているようなので、
もはや他にやることがないということなのであろう。
今後主人公にはもう3体のイマジンが憑依し、それぞれの専用フォームで戦うという。
イマジンが主人公を一時的に乗っ取る場合の演出が神がかっているので、
残り3体を演じる声優が誰かということも含めて注目したい。


結論:1話だけ見た評価は歴代2位(1位は龍騎)。