合宿での会話に関連して・・・

俺が以前所属していた演劇サークルでは、「エチュード」という訓練方法が一般的だった。
即興の名のとおり、舞台に上がって、決められたテーマに沿ってその場で考えながら喋ったり動いたりする。
いろいろなパターンがあるが、中でも俺は「悪口エチュード」というのが苦手だった。

壇上に2人、ペアで上がり、お互いに思いつく限りの悪口を言い合う、ただし相手には指一本触れてはいけない、というものだ。


俺がこのエチュードが苦手な理由は・・・


まず、相手の悪口を考えるとき、本気になって相手の悪いところを探してしまう点。
このせいで喋るスピードと内容の濃さで明らかに相手に後れを取る。


更に、次のコンボが発生する。


本気で悪口を考える→相手も本気で考えているだろうと(無意識に)思っている→相手の悪口を真に受ける→
→キレる。→抑える。→沈黙。


・・・ヒドい。


もしかすると、ルールにあった「相手に触れてはいけない」というのは、
悪口を言われても怒らない、つまり、相手の悪口を真に受けないようにすることが
このエチュードの肝であるということを暗示していたのかもしれない。

結局、何回やってもこのエチュードをまともにこなすことはできなかった。
相手になってくれたみんな、ごめん。