一般生活における不確定性原理の応用

今日、教室で講義を受けていると、WAFL会員の遠藤が入ってきた。
彼はまっすぐ俺のほうに向かって歩いてくると、俺と通路を挟んで隣に着席。
俺は歩いてくる途中の遠藤に合図を送ったが、反応はなし。
流石に抗議の最中に声を出すのもまずいと思ったのだろう。
するとやおら缶コーヒーを取り出して蓋を開けて飲み始める遠藤。
おいおい、いくらこの講義の教授が講義中にお茶飲みまくるからといって、
派手に音立ててプルトップ缶空けてゴクゴクBOSSなど飲むこともあるまいに。
大体この講義の教授がお茶飲みまくるのは、
舞台役者か落語家かと見紛うほどの凄まじい喋りを展開して喉が疲れるからで・・・
まぁいい。
で、講義も終わって荷物をまとめ、遠藤に声をかけると
「おぉっ!?びっくりした。いつのまに?」
・・・

量子力学の分野においては、
物の運動量と位置を一度の観測で同時に確定することは出来ない、という原則が存在する。
これを発展させると、ものごとは誰かが観測しない限り常に不確定であり、
誰かがそれを観測して初めて、ものごとの「現実」が「確定」することになる。
んだそうだ。
遠藤にとって俺は、俺が声をかけるまで、
いるのかいないのか分からないもやもやとした人間だったらしい。
もやもや…